PAGETOP

書籍・映像案内

『古代豪族葛城氏と大古墳』

古代豪族葛城氏と大古墳

著者  小笠原好彦
定価  2,200円(税別)
出版社  吉川弘文館

 奈良盆地南西部に葛城氏の大型古墳が集中して造られたのはなぜか。畿内の最有力豪族の政治力、経済力、軍事力を考古学資料から描く。
目次
はじめに/実在した葛城襲津彦(『帝紀』と倭五王/実在した葛城ソツヒコ/ソツヒコ以後の葛城氏/葛城地域の考古学的知見/南郷遺跡群の発掘/秋津遺跡で見つかった大型区画遺構群)/これまでの馬見古墳群の研究と葛城氏(馬見古墳群の構成/野淵龍潜氏による古墳の記録/馬見古墳群の性格づけ/馬見古墳群での被葬者の想定/馬見古墳群は大王家の古墳とする説/島の山古墳の発掘/巣山古墳の墳丘整備/門脇禎二氏の研究と葛城王国論/馬見古墳群は葛城氏の古墳)以下細目略/葛城地域の大型首長墳と変遷/葛城襲津彦が埋葬された大型首長墳/葛城襲津彦より前に築造された大型首長墳と被葬者/葛城襲津彦以後の大型首長墳と被葬者/葛城に築造された初期の大型首長墳と被葬者/葛城氏の政治・経済的発展と軍事力/葛城氏の衰退と雄略朝/おわりに


『ウメサオタダオが語る、梅棹忠夫 アーカイブスの山を登る』

ウメサオタダオが語る、梅棹忠夫 アーカイブスの山を登る

著者  小長谷有紀
定価  2,800円(税別)
発行  ミネルヴァ書房 究 叢書・知を究める11

 2011年国立民族学博物館での特別展「ウメサオタダオ展」の実行委員長を務めた著者による梅棹が残した膨大な資料を検索することによって、その人生をたどる一種の評伝。
「一般の評伝がそうであるように年齢順に再構成する、という改変はしなかった。あくまでも残された資料のまとまりを重視し、そこからの接近を記した。少々風変わりな本書のタイトルは、そんな接近法をあらわしている。梅棹の残した資料にかたらしめた人物像というわけである」(著者あとがきより)


興亡の世界史『モンゴル帝国と長いその後』

モンゴル帝国と長いその後

著者  杉山正明(京都大学大学院文学研究科教授)
定価  1,150円(税別)
発行  講談社学術文庫

 チンギス・カンが創始し、ユーラシアをゆるやかに統合した「大モンゴル国」。その権威と統治システムは、帝国解体後も各地に息づいていた。ロシアのイヴァン雷帝、ティムール帝国とムガル帝国、そして大清帝国。初めて「世界史」と「世界地図」を生み出し、人類史の画期となった「モンゴル時代」の現代にいたる長い影を追う。空前の帝国が常識を覆す!(ブックカバーより)


『古代日本の情報戦略』

古代日本の情報戦略

著者  近江俊秀先生(文化庁文化財部記念物課文化財調査官)
定価  1,600円(税別)
発行  朝日選書 朝日新聞出版

 壬申の乱に勝利した天武天皇は、中国の律令制の導入に踏み切った。戦塵の中で生まれた律令国家が最も必要としたのは、全土掌握のための緊急通信システム、駅制だった。緊急情報は、文書を携えた駅使らが駅路を疾走、最速で都に届けられた。そのスピードは、現代のロードレースの世界記録に匹敵する。超人アスリートでなくても。誰でもいち早く確実に情報を届ける通信システム。その運用はなぜ可能だったのか。馬小屋の様子など各地の遺跡調査で見えてきた駅家設置の真の目的を考える。


興亡の世界史『遊牧の文明 スキタイと匈奴』

遊牧の文明 スキタイと匈奴

著者  林俊雄(創価大学教授)
定価  1,250円+税
発行  講談社学術文庫

 紀元前7世紀前半、カフカス・黒海北方に現れたスキタイ。紀元前3世紀末、モンゴル高原に興った匈奴。ヘロドトスや司馬遷が書き記した彼らの共通点とは?ヨーロッパを混乱に陥れたフン族は、匈奴の後裔なのか?ユーラシアの草原に国家を築き、独自の文明を創出した騎馬遊牧民の真の姿は、ソ連崩壊後の発掘調査で、次々と明らかになっている。


『神と死者の考古学−古代のまつりと信仰』

神と死者の考古学−古代のまつりと信仰

著者  笹生衛(國學院大學教授・國學院大學博物館館長)
定価  1,700円+税
発行  角川文化振興財団

 五世紀、日本列島の自然環境と関係する神祭りの原形が古墳祭祀と関連しつつ形成された。この時代の祭りや古墳との関係、祀った神や古墳の被葬者の歴史的な意味、現代の文化・信仰への影響など、新視点から実態に迫る。


森安孝夫『シルクロードと唐帝国』

シルクロードと唐帝国

著者  守安孝夫(東洋文庫研究員・大阪大学名誉教授)
定価  1,280円
発行  講談社学術文庫

 シルクロードとは、単なる「東西交易路」ではなく、突厥、ウイグル、チベットなど諸民族が入り乱れるまさに世界史の最前線だった。この地に大きな足跡を残して消えた「ソグド人」とは何者か。唐は漢民族の王朝なのか。オリジナルの研究成果をもとに騎馬遊牧民の動向を追い、中央ユーラシアの草原から中華主義と西洋中心史観の打倒を訴える論争の書。


『古墳の古代史−東アジアの中の日本』

古墳の古代史−東アジアの中の日本

著者  森下章司(大手前大学総合文化学部教授)
定価  860円+税
発行  ちくま新書1207

 紀元前一〜四世紀の中国・朝鮮・日本。この時代の東アジアでは、中国の影響を受け、朝鮮・倭など周辺地域において、大小の「渦巻」が発生するごとく社会が階層化し、やがて「王」と呼ばれる支配者が登場する。その状況を最も雄弁に語る考古資料が「墳墓」だ。領域の明確な境界も形成されていなかった時代、ひととものが往来し、漢文化が大量に流入する一方で、東アジア諸地域の「ちがい」はむしろ拡大の方向へと向かった。
明白に存在するそのちがいとは?それは何から生まれたのか?最新考古学の成果に基づき、古代アジアのグローバリゼーションとローカリゼーションに迫る。(ブックカバーより)


発見・検証日本の古代『I纏向発見と邪馬台国の全貌』

纏向発見と邪馬台国の全貌 纏向発見と邪馬台国の全貌

定価  2,000円+税
発行  角川文化振興財団

 本書は2015年4月19日に開催されたシンポジウム「発見・検証日本の古代1邪馬台国とヤマト政権をどう考えるか」(主催・角川文化振興財団、共催朝日新聞社)を元に書籍として再構成したものです。


発見・検証日本の古代『II騎馬文化と古代のイノベーション』

騎馬文化と古代のイノベーション 騎馬文化と古代のイノベーション

定価  2,000円+税
発行  角川文化振興財団


発見・検証日本の古代『形以後円墳の出現と日本国家の起源』

前方後円墳の出現と日本国家の起源 前方後円墳の出現と日本国家の起源

定価  2,000円+税
発行  角川文化振興財団


『日本史への挑戦−「関東学」の創造をめざして−』

日本史への挑戦−「関東学」の創造をめざして−

著者  森浩一/網野善彦
発行  ちくま学芸文庫

 「関東」は、日本史のなかでは鄙の地として、奈良や京都のはるか遠景に置かれてきた。しかし、この地に鎌倉幕府が置かれ、江戸幕府が開かれたのは偶然ではなく、関東に大きな潜在力があったからである−古代考古学と中世史の二人の碩学が、関東という地域社会の独自な発展の歴史を掘り起こし、日本列島全体の中で、また東アジア、アメリカ大陸との交流も視野に入れて、その豊かな個性を明らかにする。地理的な特徴、交通と交易、独自な産業、渡来人の文化、宗教の系譜など、さまざまな視点から関東の歴史を語り、新たな「関東学」の地平を開く、刺激的な対論。


『日本の歴史をよみなおす(全)』

日本の歴史をよみなおす(全)

著者  網野善彦
発行  ちくま学芸文庫

 日本が農業中心社会だったというイメージはなぜつくられたのか、商工業者や芸能民はどうして賎視されるようになっていったのか。現代社会の祖形を形づくった、文明史的大転換期・中世。そこに新しい光をあて農村を中心とした均質な日本社会像に疑義を呈してきた著者が、貨幣経済、階級と差別、権力と信仰、女性の地位、多様な民俗社会にたいする文字・資料のありようなど、日本中世の真実とその多彩な横顔をいきいきと平明に語る。ロングセラーを続編とあわせて文庫化。
 「実際、百姓は決して農民と同義ではなく、たくさんの非農業民−農業以外の生業に主としてたずさわる人びとをふくんでおり、そのことを考慮に入れてみると、これまでの常識とはまったく違った社会の実態が浮かび上がっきます。」(本文より)


『美の考古学』

美の考古学

古代人は何に魅せられてきたか
石器・土器・古墳にとって美とは何か?
物に託されたヒトの心から社会を読み解く、新たな人類史

著者  松木武彦(国立歴史民俗博物館教授)
定価  1,300円+税
発行  新潮選書

 「古代人は何に魅せられてきたか」という副題が気にかかる。「美」と言うととかく、フェルメールの絵画とかミケランジェロの彫刻とか美術品の傑作を頭に描く。確かに考古学上の土器である縄文の火炎式土器などに美術品を感じる人も多い。しかし、考古学上の「弥生の土器」や「古墳」に美術品としての素晴らしさを感じる人は少ないかもしれない。だから「美」という言葉の説明がいる。この本を手にした人はまず表題の「美」という言葉を第1章「人類は美とどうかかわってきたか」という章をよむことで「美」というものの本質、定義を押さえておかねばならない。
 「美」とは見た人の情動や感興をさそう心理的機能というものである。普通にイメージする優れた美術品という誤解をとりのぞいた上で読み進めてほしい。
 「モノには、これまでの歴史学にはまだ翻訳できていない、モノ自体の歴史がある。そしてそれは、使う人がその身体を通じて付与する物理的機能にかかわる進歩ではなく、それを見たり触ったり聴いたりする人の知覚を媒介として作用する心理的機能での変化に他ならない。そこをきちんと明らかにすることで、モノからみたもう一つの人類史が描けるにちがいない。」(著者あとがきより)


『国際交易の古代列島』

国際交易の古代列島

著者  田中史生(関東学院大額教授)
定価  1,700円+税
発行  角川選書

 本書は、日本列島に国家が誕生する古代において、財を獲得するための交易関係がどのように列島を越えて結ばれ、それが引き起こす社会不安や課題に古代人がどう向き合い、乗り越えていったのかを、通史的にみてみようという試みである。叙述の出発点は紀元前までさかのぼる。そこから中世とよばれる新時代の夜明けまで、近代の国際経済システムが成立するはるか以前の列島の古代人たちが、文化の異なる地域や集団とさかんに交易を行いながら、いかにして社会変容をとげていったのか。その千数百年の歴史を紐解いていこうと思う。(エピローグより)
 執筆に際し、予め二つの点に留意することを決めていた。その一つは、交易をキーワードに列島古代の国際交流の変遷がなるべく概観できるものとすること。もう一つは、古代列島をとりまく多様な地域や交易者たちの主体性を踏まえながら、東アジア各地の動き、列島各地の動き、王権・国家間の展開の関連性をとらえること、である。(エピローグより)
 取り上げられている時代が1500年間近くと長いうえに、日本の北から南、韓半島、中国、アジアとその舞台が広範囲に渡ることなど、どれかに焦点をあてようかもと思いましたが、それでもどうしても部分的にならざるをえないと思いました。なるべくこの本に何が書かれているか皆さんに伝えたい。そこで、見出しから全体を類推していただけるよう目次とその章の見出しをピックアップしました。お勧めの一冊です。

機‥譽▲献海域交易圏と倭人の首長たち
機1 東アジア海域交流・交易圏をさかのぼる
     戦国の強国燕と海域交流・交易圏
     東アジア海域とユーラシア史
     楽浪郡から日本列島へ
機2 帯方郡から邪馬台国へ
     後漢の盛衰と東アジア海域
     帯方郡と卑弥呼
     卑弥呼王権への期待
機3 卑弥呼の交易
     「一大率」の役割を探る
     「都市」と「大倭」
     魏と倭の朝貢交易
     三世紀の倭韓交易
機4 倭人の首長と国際交易
     卑弥呼の二面性
     首長の対外的機能
     重層的な首長制社会の交易
供‖亞粟鐐茲塙餾欷魄
供1 緊迫する東アジア海域と北部九州
     華北の争乱からのドミノ倒し
     軍事化する倭王権
     交易拠点の衰退と沖ノ島
     宗像勢力の成長
     磐井の乱とミヤケと博多湾
供2 軍事と交易
     遠征軍と女性
     贈答で結ぶ倭韓同盟
     多元的に広がる倭韓の贈答関係
掘[令国家の成立と国際交易
掘1 隋・唐帝国の登場と列島の南北交易
     隋の成立と東アジア
     7世紀にはじまる南方交易
     唐の成立がもたらす緊張
     倭王権が唐に誇示した北方交易
掘2 整理される「内」と「外」
     点検される贈与外交
     首長制社会の動揺
     境界を役人が管理する
掘3 国際交易を管理する
     白村江のインパクト
     律令国家と大宰府
     官司先買制と管理交易
     天皇制の国際交易
掘4 交易にあらわれる中心と周縁
     官司先買の周縁性
     モノに示される中心と周縁
     モノで競い合う
     宮都と北部九州の中心と周縁
検ヽぞΔ了代の到来
検1 海商の萌芽
     鑑真の渡海と海賊
     海商に従った新羅の若者の物語
     安史の乱と東アジア海域
検2 日本で活動をはじめた新羅の交易者たち
     観世音寺相良奴婢例文の銀の不思議
     銀の流通と新羅
     往復する新羅人
検3 帰化人か漂流者か、それとも商人か
     「帰化」の実態をめぐって
     「流来」の登場
     新羅下代と交易活動の拡大
     李信恵と北部九州
     大宰府の管理交易体制
后‥睚を求める政治
后1 張宝高と文室宮田麻呂
     宝高と新羅王権
     宝高暗殺
     宝高の死の衝撃
     宮田麻呂の取引
后2 皇位継承と唐物
     唐物とはなにか
     唐物獲得競争
     宮田麻呂の素顔
     承和の変と宮田麻呂の「謀叛」
后3 唐者使の登場と大宰府
     藤原衛の提案書
     宮田麻呂後の大宰府
     唐物使の登場
     新羅海賊事件とその後
此|羚颪汎本を結んだ商人たち
此1 在唐新羅人の交易ネットワーク
     最後の遣唐使と新羅系交易者
     在唐新羅人の居住地
     入唐する日本人を支援した在唐新羅人
     在唐新羅人ネットワークの崩壊
此2 江南海商の対日交易
     八四七年の明州船
     唐商徐兄弟と日本僧恵蕚(えがく)
     江南海商の交易品
此3 唐滅亡と日本の交易管理の行方
     唐の衰退と江南地域と日本
     唐唐物の行方
     唐物価格の上昇に苦しむ
     年紀制の制定
     年紀制下の海商
察仝魄廚つなぐ人と地域
察1 交易港と交易港の間
     大洋路と船
     成尋(じょうじん)の密航船
察2 交易者と仏教
     舟山群島の観音信仰
     交易者の仏教文化
     交易者と僧
察3 交易列島の南・北
     「南蛮賊徒の襲撃」
     大宰府−南九州−喜界島の交易ライン
     変貌する北方社会
     石江遺跡群と城久遺跡群
     境界世界と中世の扉
察4 異文化間の交易者たち
     国際交易と政治
     政治と人
     海商たちの工夫
     秦貞重(はたのさだしげ)と博多の唐商人の取引

『天智朝と東アジア』 NHK BOOKS1235

天智朝と東アジア

著者  中村修也(文教大学教授)
定価  1,400円+税
発行  NHK出版

もう一つの占領下を描く古代東アジアに起こった一大戦役・白村江の戦い。
通説では、唐・新羅連合軍に敗れた日本は以後、唐の律令に学び、国家体制を整備していったと言われる。
だが、この通説は果たして本当か?敗戦国の日本が、唐の支配を全く受けずに友好関係を保つことが可能だったのか?
本書は、中国・朝鮮側の史料・最新の考古学の知見、古今東西の「戦争」における常識など、多角的な視点から『日本書紀』を再解釈。
白村江後に出現した唐の日本「支配」の実態、さらに、それがのちの律令国家建設に与えた影響を鮮やかに描く。


『渡来の古代史―国のかたちをつくったのは誰か』

渡来の古代史―国のかたちをつくったのは誰か

著者  上田正昭
出版社  角川選書

 日本の歴史を考える上で欠かせない、大陸から来た人びと。百済・加耶系の漢人(あやびと)、新羅系の秦人(はたびと)、高句麗系の高麗人(こまびと)などは、いつ、どのように登場し、どういった役割を果たしたのか―。彼らの入国を意味する「帰化」と「渡来」の語を明確に区分、古代史に風穴をあけた泰斗による、「渡来人と渡来文化」の集大成。近年の発掘調査の成果も踏まえ、古代国家形成にかかわる渡来を、東アジアという視点でダイナミックに提示する。


『古代史研究の最前線−古代豪族』

古代史研究の最前線−古代豪族

著者  洋泉社編集部編
出版社  洋泉社
定価  1,600円+税

 本書では、古代史のなかでもとくに読者の高いテーマのひとつである古代豪族について、第一線で活躍する研究者に、論点・問題点をわかりやすく解説してもらい、「古代豪族研究の現在」がわかることを主題としました。
 古代豪族が活躍した時代は、教科書ではほとんど取り上げられないにもかかわらず、ヤマト政権誕生の鍵を握る要素が詰まっています。なかでも、近年はとくに地方に点在した有力勢力の動向に注目が集まっており、必ずしも中央政権に従属していたわけではなかったことが明らかになってきています。日本誕生のルーツが全国各地に求められるという、古代史のロマンが、あふれているのです。
 本書では、古代豪族に関してさまざまなアプローチを用意しました。中央政権と地方豪族の関係、律令制の導入とともにどう変化したのか、個別氏族の実態、地域勢力の動向、蝦夷と隼人、最新発掘状況・・・それぞれの視点から研究の最前線に迫っています。


『東国から読み解く古墳時代』

東国から読み解く古墳時代

著者  若狭徹 先生
出版社  吉川弘文館 歴史文化ライブラリー394
定価  1,700円+税
発行  2015/02/01

 列島全体が巨大な前方後円墳造りに熱中した時代、人々はいかに暮らしたか。東国の中心だった上毛野地域を軸に、王権の動向と併せて描く。集落・耕地・手工業などの視点で社会システムに迫り、地方から古墳時代を展望。(ブックカバーより)
 「遺跡内で、同時に存在した遺構の関係を証明することは、ほとんどの場合困難である。出土する遺物の型式差から概ね二十年ほどの時間差までは絞り込めるが、ある家とある家が、確実に並存していたかを厳密に論証することはできない。それが可能となるのは、火山災害や洪水で一気に埋もれた遺跡に限られるが、黒井峯遺跡や中筋遺跡はまさしくそのレアケースである。しかも榛名山麓ではそうした条件の遺跡が広く埋没しており、同時存在していた社会様相が面的に判明するという、とてつもない可能性を有しているのである」(本文より)
 金井東裏遺跡って面白そう。どんなことを語ってくれるのか。今後も年、一度は行きたい遺跡です。


『継体天皇と朝鮮半島の謎』

継体天皇と朝鮮半島の謎

著者  水谷千秋
定価  750円+税
発行  文春文庫 文藝春秋

 「この十余年のうちに継体天皇をめぐる研究の状況も随分変わったように思う。最も大きな変化は考古学からのアプローチが質量ともに格段に進展したことで、今やこの分野の主役は文献史学から、考古学を中心とした研究へと交代した感さえある。『古事記』『日本書記』以外には資料がそれほど多くあるわけではない文献史学に対して、年々新たな発掘成果が生み出され、データが積み重ねられていく考古学は今後も豊かな可能性を有している。十二年前に著した『謎の大王 継体天皇』は主に著者の専門である文献史学からアプローチしたものだったが、本書ではできるだけ考古学の成果を取り入れ、これを『記・紀』の語るところと突き合わせ、考え得たことをまとめた。……できるだけ現地に足を運ぶこと、論文その他から吸収した近年の膨大な考古学の成果を自分なりに咀嚼し、これを文献から行った自らの考察と突き合わせ、総合化し、できるだけ客観的な歴史像を構築していくしかない。その結果が本書である。(あとがきより)
 古墳、埴輪、須恵器、棺、石室、鏡、馬具、甲冑、大刀、装身具、冠、墳形、朝鮮半島の古墳などの海外の考古学の成果など考古学が対象とする遺物に丹念に付き合い自らの専門の文献史学でえられる資料とつきあわせる努力は説得力がありその論述は成功しているように思える。若狭、有明海沿岸勢力と大和政権、朝鮮半島との関係などさらに歴史的好奇心をそそられる。


第30回(2008年) サントリー学芸賞・思想・歴史部門受賞
日本の歴史 第1巻
『列島創世記』― 旧石器・縄文・弥生・古墳時代

列島創世記

著者  松木武彦(国立歴史民俗博物館教授)
定価  2,400円+税
発行  小学館

著者略歴
1961年生まれ。
大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学(考古学専攻)。博士(文学)。
岡山大学文学部助手などを経て、現在、岡山大学大学院社会文化科学研究科教授を経て現在、国立歴史民俗博物館教授。
著書 『日本列島の戦争と初期国家形成』(東京大学出版会)、『人はなぜ戦うのか』(講談社)など

 複数の著者が時代別に分担執筆する「日本の歴史」は、これまでに何種類も刊行されてきましたが、その第一巻目に当たる前文字時代編というのは敬遠してしまうケースが多かったように思います。理由は、考古学というものに対してある種の偏見を抱いていたためです。つまり、考古学からは、「人間が見えてこない」か、あるいはその逆に「過剰に見えてくる」からです。「人間が見えてこない」というのは、科学的データに偏重する結果、前文字時代人であろうともホモサピエンスであるという事実が忘却されてしまうためで、「過剰に見えてくる」というのはルソー的な先史時代ユートピア説によってデータに余計な意味を付与することからきています。縄文社会は平等社会で、弥生社会の農耕文化から不平等が生まれたとするような考え方は後者の典型といえます。
 本書は、小学館版の「全集 日本の歴史」の第一巻で、当然、前文字時代が対象ですが、私がこれまでに抱いていたような偏見を完全に吹き飛ばしてくれる快作といえます。
 画期的な理由の一つは、著者がヒトの心の普遍的特質の理解をもとにヒトの行動を説明する「心の科学」(認知科学)の提起を受けて、前文字社会においても、石器や土器などを作ったのはわれわれと同じホモサピエンスである以上、石器や土器に共通に見られる「凝り」、つまり文様だとか左右対称だとか精緻な調整剥離などの実用を超えた余計な要素は、ある種の美的表現であり、その美により自他の区別を主張しようとする社会的メッセージを発していると考えた点にあります。なぜなら、その社会的なメッセージこそが物質文化を誕生させ、社会関係の複雑化を生み出していった一つの要因であるからです。
 もう一つの画期的な理由は、天候の長期変動という要素を前文字文化の解読に十分に活用した点です。たとえば、地球の温暖化が東北と北海道に縄文前期文化を開花させたのに対し、地球の寒冷化が西日本に縄文後期文化と弥生文化を誕生させたというのは通説になっていますが、著者は、後者の場合、寒冷化という環境変化に対する人間の対応という「内からの弥生化」が強く関係しており、「半島からの渡来者が北部九州に水稲農耕の文化を伝え、それが西日本や東日本へと広がった」という「外からの弥生化」だけでは縄文から弥生への移行は説明しきれないと鋭く分析しています。
 また、縄文時代は平等な社会だったという縄文ユートピア説に対して、縄文後期に入るとモニュメントや道具に平等原理の観念が現れるのは、寒冷化などの環境変化により、「そのような原理をおびやかすような関係が、社会のなかに強まっていたからだ」とする「理念と現実のねじれ」説をぶつけているのも十分に説得的です。
 さらに、環境が一定している限り、模倣や反復などの保守的な方法が用いられるが、寒冷化などの変化要因が出てくると「模倣でなく、独創性や洞察力によって、環境の変化により適応した新しい行動」を取る必要が生まれ、それが、環状集落への集住から分散居住への移行を導いたとする環境適応説も認知科学の成果をうまく活用したものといえます。
 最後に、理想化されたのでもなく、矮小化されたのでもない、「ありのままの人間」が見えてくる画期的な考古学が「日本の歴史」のトップを飾ったことを率直に喜びたいと思います。これは、日本の史学にも新しい風が吹き始めた兆候かもしれません。
鹿島 茂(明治大学教授)評


『古墳とはなにか 認知考古学からみる古代』

古墳とはなにか 認知考古学からみる古代

著者  松木武彦(国立歴史民俗博物館教授)
定価  1,700円(税別)
発行  角川選書

なぜ前方後円墳のような巨大古墳が生まれ、そして衰退したのか。竪穴式石室から横穴式石室へという大転換はどうして起きたのか。長(おさ)をまつる巨大な墳丘を「見上げる」行為や、埴輪や副葬品、石室の位置関係やつくられ方を、ヒトはどう感じ考えるかという心の動きの分析から解明。「神格化の舞台」から単なる「墓」へ。3世紀から7世紀の日本列島に10万基以上も築かれた古墳とは何であったかを問う、認知考古学からの古墳時代論。


『古代道路の謎−奈良時代の巨大国家プロジェクト』

古代道路の謎−奈良時代の巨大国家プロジェクト

著者  近江俊秀(文化庁文化財調査官)
定価  800円(税別)
発行  祥伝社新書

 藤原京などの都と地方を結ぶことを目的に、計画的に整備・造成された古代道路「駅路(えきろ)」。その道はどこまでも直線で、巨大な幅を有していた。さらに、想定される総延長は六三〇〇キロメートルにもおよび、中世、近世、近代をしのぎ、現代の高速道路にも匹敵する。

 だが不思議なことに、この大事業がなされた理由が文献資料に見当たらない。古代道路はなぜ造られ、どのようなものだったのか?そして、なぜ、急に廃絶したのか?

 本書では、古代史の流れとともにわかりやすく解説する。また、身近に存在する古代道路を、地図や写真などから見つける方法も披露、謎解きの世界へと誘う。


『名前でよむ天皇の歴史』

名前でよむ天皇の歴史

著者  遠山美都男(学習院大学・立教大学・日本大学非常勤講師)
定価  820円(税別)
発行  朝日新書 朝日新聞出版

天皇という称号は、いつ、なぜ誕生し、どのように変遷したのか。

和風の名前(和風諡号(しごう))から中国風の名前(漢風諡号(かんぷうしごう))へ。
天皇ゆかりの地名や建物に由来する名前(追号(ついごう))を経て、幕末にまた中国風の名前と戻る変化は何を意味すか。
知っているようで知らない、天皇の名前から読み解く。新しい日本の歴史。(ブックカバーより)


『ヤマト政権の一大勢力 佐紀古墳群』

ヤマト政権の一大勢力 佐紀古墳群

著者  今尾文昭(奈良県立樫原考古学研究調査課長)
定価  1,500円(税別)
発行  新泉社 シリーズ「遺跡を学ぶ 093」

ヤマト政権の一大勢力 佐紀古墳群


『翔ぶが如く』

翔ぶが如く

著者  司馬遼太郎
発行  文春文庫

「西南戦争、西郷さんがわからん」、ということで、とりあえず司馬遼太郎「翔ぶが如く」を読もうとし、古本屋でまとめて全10冊、3000円で買ってきた、と以前にFBで報告した。いろいろ多忙で全10冊を読み終えるのは夏休みまでかかるだろうとも書いた。 で、6月3日現在、2巻目、P87まで読んだ。真面目に読んでいる訳ではない。車中でではあるが…。

(1) 明治維新とともに出発した新しい政府は、内外に深刻な問題を抱え絶えず分裂の危機を孕んでいた。明治6年、長い間くすぶり続けていた不満が爆発した。西郷隆盛が主唱した「征韓論」は、国の存亡を賭けた抗争にまで沸騰してゆく。征韓論から、西南戦争の結末まで新生日本を根底からゆすぶった、激動の時代を描く長編小説全10冊。

(2) 西郷隆盛と大久保利通―ともに薩摩に生をうけ、維新の立役者となり、そして今や新政府の領袖である二人は、年来の友誼を捨て、征韓論をめぐり、鋭く対立した。西郷=征韓論派、大久保=反征韓論派の激突は、政府を崩壊させ、日本中を大混乱におとしいれた。事態の収拾を誤ることがあれば、この国は一気に滅ぶであろう……。

幕末から維新、さまざまな人間がどう生きたか、一人の人間がどう生きたか…おもしろい。


『歴博フォーラム ここまでわかった!縄文人の植物利用』

歴博フォーラム ここまでわかった!縄文人の植物利用

著者  工藤雄一郎/国立歴史民俗博物館 編
定価  2,500円(税別)
発行  新泉社

<概要>
2012年に開催した「歴博フォーラムここまでわかった!縄文人の植物利用」の内容を再構成してまとめたもの。日本植生史学会でもおなじみの著者らが,1980年代から今日までの低湿地遺跡での研究成果や,縄文人による森林資源管理,土器圧痕によって明らかになってきたマメ利用,ウルシ利用,下宅部遺跡での最新の研究成果などを分かりやすく紹介。写真・図はオールカラーです。博物館や埋蔵文化財調査機関においては便利な普及書として,大学の講義では便利な概説書としても活用できる1冊に仕上がっています。日本植生史学会会員の皆様には特にお勧めの1冊です。

<主要目次>
1 「人と植物の関わりの文化史」をもっと知ろう!(工藤雄一郎)
2 縄文人の植物利用─新しい研究法からみえてきたこと─(佐々木由香
3 縄文人は森をどのように利用したのか(能城修一)
4 マメを育てた縄文人(小畑弘己)
5 縄文人がウルシに出会ったのはいつ?(鈴木三男)
6 適材適所の縄文人─下宅部遺跡─(千葉敏朗)
7 下宅部遺跡の漆関係資料からわかること(永嶋正春)
8 縄文人と植物との関わり─花粉からわかったこと─(吉川昌伸)
9 イネと出会った縄文人─縄文時代から弥生時代へ─(那須浩郎)

コラム1) かごや縄の素材はなに?植物珪酸体で調べる(米田恭子・ 佐々木由香
コラム2) 植物繊維の見分け方(小林和貴)
コラム3) イネを食べなかった縄文コクゾウムシ(小畑弘己)
コラム4) 土器づくりの敷物は?(真邉彩)
コラム5) 植物の年代をはかる(坂本稔)
コラム6) 縄文土器のおこげの正体は?(工藤雄一郎)
コラム7) たねが語る人の暮らし(百原新)
コラム8) 果実でウルシが見分けられるか(吉川純子)
コラム9) アサを育てる・使う(篠崎茂雄)
コラム10) デンプンからわかる食べ物(渋谷綾子)
(付録)くらしの植物苑に行こう!(工藤雄一郎・山村聡)

書評:小山修三(国立民族学博物館名誉教授・元吹田市立博物館長)
ひさしぶりに、読んでコーフンした本だった。もちろん内容がそうなのだが、縄文人の植物との対応の問題に長らくかかわってきた研究者としてさまざまな人や出来事がおもいうかぶからである。

私が考古学を学び始めた頃は、縄文時代とは狩猟採集の段階で、米や野菜などは弥生時代に大陸から伝わったというのが定説だった。ところが、最近の発掘や分析技術の発達によってそんな常識は覆されてしまった。縄文人の植物利用の解明に力を注いでいる(これまでの土器や石器だけではなく、顕微鏡を通して見る微細な自然遺物を扱う)若い研究者の数が増え、その成果が一般書の形で出はじめたからである。(ほかには、小杉康ほか2009『縄文時代の考古学3』同成社)

縄文人が作ったダイズとアズキ
食用植物としてはコメ、クリ、マメが論じられているが、そのなかで驚いたのはマメ類についての報告だった。従来、マメ類については考古学的な同定が進んでいなかった。私自身にも苦い経験がある、1979年のAffluent Foragers(採集民の成熟)のシンポジウムをまとめるとき、当時福井県鳥浜遺跡で(日本で初めて)発見されたマメを日本ではリョクトウと同定していたが、それについて、共編者のトマス氏から「そんなはずはない、あれはインドあたりのもの」というクレームが来た。こちらは専門家じゃないし、ドタバタした後なんとかごまかしたのだが、こちらの負けかなという気がしていた。もう一つあげれば、丹波黒豆の話をしていた時「身の黒い大豆は大陸ではみないんだよね」といった専門家の言葉だった。
最近の成果はそのあたりのモヤモヤを見事に解明した。決め手となったのは圧痕レプリカ法、土器面に着いた圧痕にシリコンを詰めて「かたち」を取り出す方法である。これによって、マメの構造(臍、縫線、縦溝)が明らかにされ、例数も飛躍的に増えた。その結果、はじめ中部日本で野生種として利用していたツルマメ(ダイズ)とケツルアズキ(アズキ)を4500年前(縄文中期)から栽培種として育てるようになり、それが西日本に広がったことを明らかにしたのである。しかも、栽培化の動きは中国や韓半島でもほぼ同時に起こっていることも興味深い。

栽培植物と農耕コンプレックス
豆類はタンパク源として重要ではあるが主食とはならない。デンプン質の穀類や繊維、ビタミン類の野菜と組み合わせ育てられのが(コンプレックス)のが農耕としてのあるべき姿だろう。日本産にこだわるならば穀類としては、ヒエがある(北海道、東北地方が中心というズレがあるが)。また、野菜の候補としてエゴマがあり、ダイコンやカブなど菜種類(Brassikka)もあるが、例が少なくまだ明らかにされていない。これらについては、本書ではあまり触れられていないが、将来、縄文農耕に対する理解が深まるにつれて、是非考えるべき問題となるであろう。(小山修三と千里の森より)


『大麻と古代日本の神々』

大麻と古代日本の神々

著者  山口 博(富山大学・聖徳大学名誉教授)
定価  762円(税別)
発行  宝島社新書

 天皇家最大のセレモニー・大嘗祭で皇位継承者が身にまとう神衣は大麻製。それにより、皇祖とコンタクトを取り、皇祖から皇位を付託されるのだという。その大麻は、明治以降は阿波の徳島で育成することに決められた。それは、古代祭祀を司った忌部氏が阿波に居住し、大麻を栽培したからだ。幻術を行った忌部氏は外地産薬物大麻種子を持っていたのだ。『古語拾遺』にある忌部氏の神話も、『古事記』『日本書紀』の神話も、神々の世界の天語として、大麻によるトランス状態の中で語り伝えられた。最新の古代史・考古学の成果から古代日本を統べる神々と大麻の秘められた結びつきを明らかにした、古代史ロマン!


『蒼き狼』

井上靖の歴史小説。『文藝春秋』に1959年10月号から1960年7月号にかけて連載された。

発行  新潮文庫

 モンゴル帝国を築いた初代ハーンのチンギス・ハーン(成吉思汗、鉄木真)の生涯を描いた作品で、『天平の甍』よりはじまる一連の西域小説に属する。

蒼き狼 蒼き狼

 あとがき「『蒼き狼』の周囲」によれば、井上靖は大学時代に当時のベストセラーである小谷部全一郎『成吉思汗は源義経也』(大正13年)と同著に対する史学者の反論を載せた「中央史壇」に触れ、戦後には那珂通世『成吉思汗実録』(『元朝秘史』、昭和18年)を入手し、チンギス・ハーンに関心を持ち、資料を集めて構想をはじめたという。執筆した時点では、モンゴルに行ってはいなかった。

モンゴル旅行の参考に

飛鳥保存財団 モンゴル研修旅行実施報告


『創られたスサノオ神話』

創られたスサノオ神話

著者  山口 博
定価  1,800円(税別)
発行  中央公論新社 中央叢書

 比較神話学が解き明かすヒーロー誕生の謎 渡来系氏族がもたらしたユーラシア北方の英雄叙事詩を利用して、史書編纂者たちは新しい神格を創り上げた。

 古代日本文化にはユーラシア北方文化の影響が濃厚であり、神話とても例外でないと考えている私は、これまでほとんど顧みられなかった新たな角度から、スサノオ神話へのアプローチを試みるものである。(プロローグより)

 スサノオは日本神話のヒーローである。しかし、『古事記』『日本書紀』を読むと、まことに複雑な性格の神であることが分かる。それはアマテラスを皇祖神として奉じる王権が、史書編纂に当たって、出雲の素朴な農業神に白羽の矢を立て、まったく新しいスサノオ像を創り上げたからである。高天原から追放される原因となった乱暴行為は、北方ユーラシアの騎馬遊牧民の習俗を歪曲して記載したものである。ヤマタノオロチ退治も、彼らが伝承する英雄叙事詩に起源を求めることができる。本書ではさらに、スサノオ神話の創作に関わったであろうと思われる渡来氏族をも推理してみた。(著者から読者へより)


『列島の考古学 古墳時代』

列島の考古学 古墳時代

著者  右島和夫 千賀 久
定価  2,800円(税別)
発行  河出書房新社

列島の考古学 古墳時代

吉永小百合主演映画『北のカナリアたち』
DVD『吉永小百合』

DVD『吉永小百合』

湊かなえの『往復書簡』(幻冬舎刊)に収録された「二十年後の宿題」を原案に、かつてない衝撃と感動の物語が紡がれる…。

詳細はこちら。


『魏志倭人伝の謎を解く−三国志から見る邪馬台国』

魏志倭人伝の謎を解く−三国志から見る邪馬台国

著者  渡邊 義浩
定価  760円(税別)
発行  中公新書

 考古学調査と並び、邪馬台国論争の鍵を握るのが『魏志』倭人伝(『三国志』東夷伝倭人の条)である。だが、『三国志』の世界観を理解せずに読み進めても、実像は遠のくばかりだ。なぜ、倭人は入れ墨をしているのか、なぜ邪馬台国は中国の東南海上に描かれたのか、機内と九州どちらにあったのか。『三国志』研究の第一人者が当時の国際情勢を踏まえて検証し、真の邪馬台国像に迫る。「魏志倭人伝」の全文と詳細な訳注を収録(表紙カバーより)

邪馬台国シンポジウム「邪馬台国をめぐる国際関係−2・3世紀の東アジアと倭の交流」
2013年1月・渡邊義浩先生特別講演会『魏志倭人伝の謎を解く−三国志から見る邪馬台国』


『壬申の乱−天皇誕生の神話と史実−』

壬申の乱−天皇誕生の神話と史実−

著者  遠山 美都男
定価  820円(税別)
発行  中公新書

 671年10月、天智天皇の弟大海人皇子(天武天皇)は王位継承を断り吉野に隠棲。翌月、天智の子大友皇子は大海人を討つべく五人の重臣と盟約を結んだ。天智後継の座をめぐる壬申の乱の発端である。天智は大友かわいさで大海人を疎外したのか。大友は絶えず後手にまわり敗れ去ったのか。王位継承をめぐる対立はなぜ大規模な戦争に発展したのか。通説を再検討し、古代最大といわれる攻防のドラマを再現、その歴史的意義に迫る。(書籍カバーより)


『「陵墓」を考える−陵墓公開運動の30年』

「陵墓」を考える−陵墓公開運動の30年

編者  「陵墓限定公開」30周年記念シンポジウム実行委員会
定価  2,800円(税別)
発行  新泉社

 巨大な大仙古墳(仁徳陵古墳)や誉田御廟山古墳(応神陵古墳)など多くの巨大古墳がある百舌古墳群(大阪府堺市)と古市古墳群(大阪府羽曳野市・藤井寺市)では現在、世界遺産への登録準備が進められている。これら巨大古墳のほとんどは、天皇および皇族の墓としての「陵墓」および「陵墓参考地」として宮内庁が管理しており、中世・近世の小規模墓所を含めて、その実態はほとんどわかっていない。関連16大学・協会は、研究者のみならず一般の人々にも「陵墓」を公開することを一貫し求め、運動してきた。宮内庁が管理する「陵墓」の限定公開がはじめておこなわれたのは1979年であった。その20周年を記念し、成果と課題を整理するために、1998年12月12日に天理大学において関連学・協会が主催してシンポジウムが開催された。そしてこの成果を引き継ぎ、2009年に二つのシンポジウム、京都で「陵墓公開運動の30年−佐紀陵山古墳・伏見城の報告とともに」が、東京では「陵墓公開運動30年の総括と展望」が開催された。本書hそのシンポジウムの成果をまとめたもので、現段階の「陵墓」に対する、歴史学、考古学の最先端の議論が反映されたものとなっている。


『卑弥呼と台与−倭国の女王たち』

卑弥呼と台与−倭国の女王たち

著者  仁藤 敦史
定価  800円(税別)
発行  山川出版社 日本史リブレット 人001

 女王卑弥呼の都とされる邪馬台国はどこにあったのか。「魏志倭人伝」の記述や最新の考古学的成果を基礎として、近年有力となった畿内説の立場に立ちながら、東アジア史の観点から卑弥呼の王権と公孫氏や魏王朝との外交関係を検討する。鬼道を駆使する卑弥呼は、普遍性を有する鏡の祭祀により、倭国乱により疲弊した大人層の支持を得て、「共立」される。そこでは、鉄資源や先進文物の流通をコントロールすることにより倭国王としての急進性が維持されていた。(表紙カバーより)

邪馬台国シンポジウム「邪馬台国をめぐる国際関係−2・3世紀の東アジアと倭の交流」


『邪馬台国の考古学−魏志東夷伝が語る世界−』

邪馬台国の考古学−魏志東夷伝が語る世界−

著者  東 潮
定価  1,700円(税別)
発行  角川選書 503 角川学芸出版

 九州説か畿内説か。『三国志』東夷伝倭人伝(「魏志倭人伝」)の解釈から、数多くの議論がなされてきた邪馬台国論争。本書では、まずこの東夷伝がそもそもどんな天下観で記されたものかをはじめて解明。従来の「解釈」に決定的な楔を打つとともに、3世紀東夷諸国の境域・王都・墳墓・遺物などと邪馬台国との関連を考古学的に論証。卑弥呼=箸墓古墳説の補強、難升米=黒塚古墳の新設を展開し、東夷伝の新たな世界を描く。(書籍カバーより)

※近畿説、卑弥呼=箸墓古墳説、難升米=黒塚古墳に異論をとなえられる方もあるとは思うが、そもそも「魏志倭人伝」が「三国志」のごく一部であること、そして東アジア史の中で邪馬台国を考えると言われながら、その東夷諸地域の実態が判然としない論が多い中で、それらの地域をくまなく実地調査してきた上での著者の結論は傾聴に値する。倭を「魏志倭人伝」が書かれた中国側の政治観を理解した上で考えるとどうなるか。一読を推奨する。(トンボの眼)

邪馬台国シンポジウム「邪馬台国をめぐる国際関係−2・3世紀の東アジアと倭の交流」


『倭国の時代』

倭国の時代

著者  岡田英弘
定価  680円(税込)
発行  朝日文庫 朝日新聞社

※いささか古い本だが、岡田英弘氏は、この書物の中で、「そもそも『魏志倭人伝』と呼ばれるのは、『三国志』という中国の「正史」のごく一部分の俗称である。『三国志』は全部で65巻、これが「魏書」、「蜀書」、「呉書」の3部に分かれるが、その第1部の「魏書」30巻の最終巻、第30巻が「烏丸・鮮卑・東夷伝」となっている。この巻の内容はさらに二つにわかれ、前半の「烏丸・鮮卑伝」では、大興安嶺の東斜面からその西のモンゴル高原へかけての北アジアの遊牧民族に関する事がらを扱い、後半の「東夷伝」では、それより東のシベリア・満州・朝鮮・日本にかけての狩猟・農耕民族を扱っている。その「東夷伝」が取り上げる7つの民族の最後に挙げてあるのが「倭人」であって、この項目だけ切り取ってきたのが、いわゆる「魏志倭人伝」ということになる。」と説明し、なぜ、陳寿が倭人をとりあげたのかを解説している。このへんが東潮著『邪馬台国の考古学−魏志東夷伝が語る世界−』と合わせて読むとおもしろい。(トンボの眼)

邪馬台国シンポジウム「邪馬台国をめぐる国際関係−2・3世紀の東アジアと倭の交流」


DVD『邪馬台国シンポジウム「邪馬台国を狗奴国から考える」』

アレクサンドロス大王東征記

2011年2月11日
於:九段会館
撮影記録DVD:非売品


『天皇陵古墳を考える』

天皇陵古墳を考える

著者  白石太一郎
定価  2,800円(税別)
発行  学生社

 最近の考古学と発掘調査により天皇陵の被葬者と問題点が注目されている。箸墓の次の大王墓が西殿塚古墳なら誰の陵墓か。今城塚古墳が真の継体陵なら、現継体陵の被葬者は?学界で見解が分かれる欽明陵はどの古墳か−など。

1 箸墓古墳と大市墓 白石太一郎
2 西殿塚古墳が提起する問題 今尾文昭
3 誉田(こんだ)御廟山(ごびょうやま)古墳(現応神陵)の被葬者 白石太一郎
4 継体天皇陵と今城塚古墳 森田克行
5 欽明陵と敏達陵を考える 高橋照彦
6 天武・持統陵(野口王墓古墳)の意義 今尾文昭

(『トンボの眼』主催連続講座は2009年9月13日から2011年2月27日まで3期18回、2,011年11月3日の番外編を加えると19回に渡り、多くの方々に支持されつつ終了した。この度、この連続講座でとりあげられた6回分の講義録が書籍化されました。)
割引サービス購読方法はこちら


『都はなぜ移るのか−遷都の古代史』

都はなぜ移るのか−遷都の古代史

著者  仁藤敦史
定価  1,800円(税別)
発行  吉川弘文館 歴史文化ライブラリー333

 古代の都はどのように移り変わってきたのか。頻繁に遷宮・遷都が行われた飛鳥・難波の宮から千年の都となった平安京まで、都城の役割と遷都の意味を、制度・外交・交通・経済・儀礼などから検討。「動く都」から「動かない都」へと転換した理由を解明する。王権の確立と都市貴族の誕生、水陸交通の発展などの分析を通し、古代都市の成立過程に迫る。
『トンボの眼』主催の連続講座『遷都の古代史 都はなぜ移るのか』(開講2012年1月29日 全6回)にてテキストとして使用します。
講座はこちら
<編著者紹介> ※本書発売日現在
 1960年、静岡県に生まれる。1989年、早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程史学(日本史)専攻満期退学。現在、国立歴史民俗博物館研究部教授・総合研究大学院大学文化科学研究科教授。
<主要編著書> ※本書発売日現在
 『古代王権と都城』(吉川弘文館、1998年)『古代王権と官僚制』(臨川書店、2000年)『女帝の世紀』(角川学芸出版、2006年)『卑弥呼と台与』(山川出版社、2009年)


『古墳』

古墳

著者  土生田純之
定価  1,700円(税別)
発行  吉川弘文館 歴史文化ライブラリー319

 なぜ、ここまで巨大なのか?古墳に込められた古代人のメッセージを探る。
 全国に数多く残る巨大古墳。古代人は、なぜ全長二〇〇メートルを超える墳墓を構築したのか。さまざまな古墳の構造や、副葬品にみる葬送儀礼から、どのような集団が古墳をつくったかを探る。また、数代ごとに移動を繰り返す王墓から在地社会の政治構造を検討。渡来人との関わりや国家形成についても解明し、巨大古墳築造の背景を社会的観点から考える。
<主要目次>
 古墳の存立意義―プロローグ/始祖墓としての古墳(始祖墓の諸相/畿内の始祖墓/首長墓と群集墳/古墳と葬送儀礼の変遷)/古墳からみる政治構造(古墳と政治構造/畿内主導の実態―畿内の意向と在地の論理/国家形成と王墓/「前方後円墳」をめぐって)/五世紀後半の画期と渡来人(五世紀後半の変革/東国の渡来人/渡来人の末裔と行方)/古墳の終焉(群集墳の盛行/終末期古墳の諸相/古墳の終焉と再利用)/その後の古墳―エピローグ
<編著者紹介>
 1951年、大阪府出身。1974年、天理大学文学部国語学科卒業。1978年、関西大学大学院博士前期課程修了。現在、専修大学文学部教授、博士(文学)
<主要編著書> ※本書発売日現在
 『日本横穴式石室の系譜』(学生社、1991)、『黄泉国の成立』(学生社、1998)、『古墳時代の政治と社会』(吉川弘文館、2006)


『王宮炎上』

王宮炎上

著者  森谷公俊
定価  1,700円(税別)
発行  吉川弘文館 歴史文化ライブラリー88

 イランの北西部から南東に向かって走るザグロス山脈。延長2000キロにおよぶこの山脈の南東部に、イラン第5の都市シーラーズがある。そこから北東へ60キロ、車で約1時間走ると、糸杉の美しい並木のあいだをまっすぐ伸びる道の向こうに、アケメネス朝ペルシャ帝国の都、ペルセポリスの遺跡が姿を現す。高さ12メートルをこえる黒灰色基壇の壁は垂直にそそり立ち、まるで要塞のようだ。正面階段を登って基壇の上に登って基壇の上に出ると、そこは12万平方メートルにおよぶ広大なテラスである。玄関の門柱を支える牝牛と人面獣の彫刻、宮殿の堂々たる階段と荘重な浮彫り、大広間にそびえる十数本の太い円柱、これらがかつての都の威容をしのばせる。・・・とにかく大きい。古代ギリシャの世界とはやはりスケールが違う。門をくぐり、広間を横切り、部屋から部屋へと抜け出ると、目の前には次の建物が待ちかまえている。やっと一周してから、テラスの東につらなる山の中腹へ上がると、平原をとり囲む遠くの山々が雨と霧にかすんで見えた。紀元前五〜四世紀の昔、この平原に入って来た人々は、突然かなたから目に飛び込んでくるこの宮殿群を、どのような思いで眺めたであろうか。
 二時間ひたすら歩きまわるうち、ペリセポリスの重みがしだいに肌に迫ってくるような気がした。その重みは、たんに遺跡の巨大さと二千四、五百年という時間のせいだけではなかったろう。目の前の廃墟は、アレクサンドロス大王が王宮に放火したという、まさに人為的破壊の結果であるという事実を、疑いようもなく突き付けられたせいだったのかもしれない。


『アレクサンドロスの征服と神話』

アレクサンドロスの征服と神話

著者  森谷公俊
定価  2,300円(税別)
発行  講談社 興亡の世界史01

壮麗なる宮殿群
 ペルセポリスが位置するのはザグロス山脈の南東部、パールサ地方(現ファールス州、古代ギリシャ語ではペルシス)で、ここは古代ペルシャ王国発祥の地である。前522年に即位したダレイオス一世は、全土で起きた反乱を丸一年かけて鎮圧した後、勝利を記念してこのパールサに新しい都を建設したのだった。彼はまず南北約400メートル、東西約300メートル、高さ12メートルから14メートルに及ぶ巨大な基壇を完成させ、さらにアバダーナと宮殿の建設に着手した。アパダーナとは方形の多柱式宮殿のことで、ペルセポリスで最も高く広い建物である。大広間は一辺が60メートル、計36本の柱の高さは19メートルにおよび、収容人員は一万人と推定される。ここで大王列席のもとに帝国の公式行事が行われたので、謁見殿とも呼ばれる。
 次のクセルクスはアバダーナを完成させたほか、玉座の間を着工した。大広間の一辺は68.5メートル、柱の高さは13メートル、柱が100本あることから百柱殿とも呼ばれる。その目的は財宝を展示して公開することにあった。アバダーナが王の政治権力を象徴したのに対し、玉座の間は帝国の輝かしい富を誇示する宮殿博物館だった。その完成は次のアルタクセルクセス一世の時代である。クセルクセスはまた万国の門と後宮も建設した。こうして三代、100年近い歳月を費やして、主な宮殿群が完成した。

対立する二つの伝承
 王宮炎上事件については、現存する大王伝五編のうち四編が伝えている。このうちプルタルコス、ディオドロス、クルティウスの三人は、放火は酒宴の席で起きた衝動的・偶発的な出来事であったと述べる。それによると、ダレイオス追撃に出発する直前の酒宴において、アテネ生まれの遊女タイスがペルシャ人への復讐のためと言って放火を扇動した。酩酊していたアレクサンドロスは朋友たちと共に行列を組んで松明を持ち、宮殿に火を放ったという。…しかし疑わしい点がる。そもそもマケドニア人の宴会には、召使は別として一般の女性は同席しない習慣だった。女性が同席する宴会は明らかにギリシャ流である。またこの物語の主題は、マケドニア軍よりもアテネ出身の女の方が見事ペルシャに復讐してみせたというものだ。それゆえこれは、前三世紀にアレクサンドリアで活動したゴシップ好きの作家クレイタルコスが、ギリシャ人向けに創作した物語であると考えられる。
 一方アリアノスの大王伝だけは、放火は意図的・計画的になされたという。それによると、この時パルメニオンは宮殿を救おうとして忠告し、すでに自分のものである財産を破壊するのは賢明でないし、アジアの住民も王を単なる征服者と見なして彼に心を寄せないだろうと言った。これに対してアレクサンドロスは、自分の意図はかつてペルシャ人がギリシャに侵攻した時に働いた数々の悪事に報復することなのだ、と答えた。ここからは、宮殿放火の是非をめぐって王と側近たちの会議が開かれ、王がパルメニオンの諫死を振り切って放火を決行したという経過がうかがえる。
 どちらの伝承が真実だろうか。


『アレクサンドロス大王東征記』付インド誌

アレクサンドロス大王東征記

著者  アッリアノス著 大牟田章 訳
定価  上・下各900円(税別)
発行  岩波文庫 青483-1、483-2

 20歳でマケドニア王に突いたアレクサンドロス(前356〜前323)はギリシャを支配し、シリア・エジプト・ペルシャを次々に征服した。さらに東へ。インドに進撃する。世界を目指し、流星のようにまばゆく輝き、消えた若き帝王。2世紀ギリシャの文人政治家が描く、強烈なカリスマ性を持った大王の東征記。(下)にインド誌を付す。(全2巻)


『ローマ人の物語「ローマ帝国の終焉」(上・中・下)』

ローマ人の物語「ローマ帝国の終焉」(上・中・下)

著者  塩野七生
定価  上 438円(税別) 中 362円(税別) 下 514円(税別)
発行  新潮文庫

《上》
 テオドシウス帝亡き後、帝国は二人の息子アルカディウスとホノリウスに託されることになった。皇宮に引きこもったホノリウスにかわって西ローマの防衛を託されたのは「半蛮族」の出自をもつ軍総司令官スティリコ。強い使命感をもって孤軍奮闘したが、帝国を守るため、蛮族と同盟を結ぼうとしたことでホノリウスの反感を買う。「最後のローマ人」と称えられた男は悲しい最後を向かえ、将を失った首都ローマは蛮族に蹂躙されるのであった……。(ブックカバーより)
 この「セミ・バルバロス」が、後世の歴史家たちからは「最後のローマ人」と言われるようになるのだから皮肉である。とはいえ、異民族であろうと登用し活用するのに少しのためらいもなかったユリウス・カエサルや、その彼につづいた元首政時代の皇帝たちが知ったら何と言うであろうか。もしかしたら、それでこそ多民族国家であったローマ帝国の最後にふさわしい、とでも言うかも知れない。(本文より)

《中》
 屈辱的な首都の劫掠の後、帝国の本国たるイタリア半島には一時的な平和が訪れた。ガリアでの地歩を固めたい蛮族が共食い状態になったためだ。しかし、ホノリウスが長い治世を無為に過ごして死んだのち、権力は皇女や軍司令官らの手を転々と渡り、二年にもわたる内戦状態にさえ陥った。そして運命の四七六年、皇帝が蛮族の手によって廃位され、西ローマ帝国は偉大なる終わりの瞬間をもつこともなく、滅亡の時を迎えることになった−。(ブックカバーより)
 都市アテネなき都市国家アテネがありえないのと同じに、ローマなきローマ帝国はありえない。(中略)その意味のローマ帝国は、やはり紀元四七六年に滅亡したのであった。そして、このローマ帝国の滅び方としたら、「偉大なる瞬間」がなかったことのほうが、ふさわしかったのではないかと思っている。少なくとも、他の諸々の「盛者」とは別格の「盛者」にとっての「必衰」のしかたとしては。(本文より)

《下》
 西ローマ帝国の皇帝位を廃したオドアケルののち、テオドリック、テオダトゥスと、ゴート族の有力者がイタリア王を名乗り、統治を開始した。これに対して、東ローマ帝国皇帝ユスティニアヌスはヴァンダル族の支配する北アフリカ、続いてイタリアへと侵攻した。しかし、この17年にも及ぶ東西の攻防のいずこにも、ローマ人の姿はない。ローマ人はもはや地中海世界の主役ではなかったのである。空前絶後の世界帝国は、消え果ててしまったのだ。(ブックカバーより)ローマ世界は、地中海が「内海」ではなくなったときに消滅したのである。地中海が、人々の間をつなぐ道ではなく、人々をへだてる境界にかわったときに、消えうせてしまったのだ。(中略)盛者は必衰だが「諸行」(res gestae)も無常であるからだろう。これが歴史の理ならば、後世のわれわれも、襟を正してそれを見送るのが、人々の営々たる努力のつみ重ねでもある歴史への、礼儀ではないだろうかと思っている。(本文より)
 ローマの衰亡を論じた歴史書や研究書はそれこそ浜の真砂ほどにも存在するが、荒唐無稽とするしかないものを除けば、多少なりともそのいずれもが正しい。…とくに「なぜ」よりも、「どのように」衰亡していったのか、に重点を置いて書くことにしたのである。『ローマ人の物語』は何よりもまず私自身が、ローマ人をわかりたいという想いで書いたのである。書き終えた今は心から、わかった、と言える。そして読者もまた読み終えた後に「わかった」と思ってくれるとしたら、私にとってはこれ以上の喜びはない(巻末。読者により)

 ここでは平易に語られているが、例えばキリスト教でいえば正統派と異端、ローマ帝国といっても東・西ローマ帝国、蛮族といってもフン族、東、西ゴート族、ヴァンダル族・・・地域もラヴェンナ、ローマ、シチリアといったイラリアの地だけでなく、コンスタンティノポリス、バルカン、北アフリカ、ガリア・・・。人名ではアッティラ、スティリコ、ガラ・プラチディア、オドアケル、ホノリウス、ユスティニアヌス・・・と膨大な歴史の知識と地理の知識に裏打ちされた言葉である。ローマ帝国最大領地図を頭に描きながらこの本を読むと、その衰亡には言い知れない感慨が呼び覚まされる。そして、ここからさらにヨーロッパ中世の世界、あるいは逆にギリシャ・ローマ古典期の世界へとヨーロッパ史のおもしろさの領域へと向かいたい欲求が高まることは間違いない。最適なヨーロッパ史入門書である。(佐々木)


『中世の光と影』

中世の光と影

著者  堀米庸三
定価  620円(本体602円)
発行  講談社学術文庫

 従来、西洋中世期は、華やかな古典文化とルネッサンスの狭間の暗黒の時代と考えられていた。しかし中世は、古典文化文化・ゲルマン精神・キリスト教の三者が、、たがいに対立抗争を続けながら、次第に「ヨーロッパ」を形成していく、独特のエネルギーに満ちた時代であった。筆者は自らの紀行文をまじえつつ、このヨーロッパ形成の過程を解明し、中世社会の本質を鮮やかに描き出す。本書は単なる「通史」を越えた、試論と歴史紀行の結晶である。(ブックカバーより)


『韃靼(だったん)の馬』

韃靼の馬

著者  辻原登
定価  2,400円(税別)
発行  日本経済新聞社

 対朝鮮貿易を取りしきる対馬藩危機存亡のとき、窮余の一策として浮上したのが、伝説の汗血馬を馬将軍吉宗に献上しようという策だった。その使命を帯びたのは……。かつて朝鮮通信使の警護を務め、藩と幕府をすくった若き藩士がいた。文武に秀で外国語に堪能で、消えゆく神代文字が読める若者がいた……。(ブックカバーより)

 日本経済新聞朝刊に連載(2009年11月1日〜2011年1月21日)された長編歴史小説の単行本です。新聞連載を意識した平易な文章と、日々の継続読書をうながすストーリーの展開。正確な歴史事実(待遇の簡素化と将軍呼称の変更がされた第8回1711年(正徳元年)、1727年(享和12年)の吉宗の日光社参の復活)、街道での通信使接待、日朝双方の考えの違いからかようなトラブルもあったであろうというような描写、新井白石、雨森芳洲という実在人物の登場、そして後半での韃靼の馬を求めての日本、韓国、中国をまたにかけたスケールーの大きな話しの展開…これらがあいまって気がつけば次から次へとページを繰って一気に読了した。

 朝鮮通信使と漢の張騫が大遠征の後、西域大苑(フェルガーナ)から得た一日千里を走り、血の汗を流すという天馬の流れを汲む韃靼の馬?かような話しがあったかも知れない。これを結びつけるところが、小説が小説であることのおもしろさで、歴史そのものとは違う創作の着眼の斬新さです。ちなみに韃靼とはモンゴル系部族の一つ。8世紀ころから東モンゴリアに現れ、のちモンゴル帝国に併合された。宋ではモンゴルを黒韃靼、トルコ系部族オングートを白韃靼と称し、明では滅亡後北方に逃れた元の遺民を韃靼と称した。韃靼を冠した小説には少し古くなりますが司馬遼太郎の長編歴史小説『韃靼疾風録』があり、これもまたお奨の本(中公文庫)です。

 『韃靼の馬』の内容は本そのものにまかせます。ここではこの小説のベースとなる朝鮮通信使とはいかなるものであったかを紹介します。

さらに読む「朝鮮通信使とは」


『古事記を旅する』

古事記を旅する

著者  三浦佑之
定価  本体 714円(税別)
発行  文春文庫

 この本でわたしは、古事記の神話や伝承に描かれた舞台はどこにあり、神話に登場する神様はどのように祀られているか、そこは今どうなっているかというようなことを現地に旅してみなさんに紹介しようと思う。おそらく、有名な観光地として賑わっているところもあるだろうし、だれも訪れずに忘れ去られてしまった場所もあるに違いない。かなりいかがわしい場所もないわけではないが、それも一興というものだ。

 古事記の神話や伝承そのものを楽しみ、さまざまな歴史や物語を秘めた遺跡や神社や山野河海を歩く。そこから、古事記という閉じられた世界を超えた広がりを見出し、この島国に生きた人びとの営みや心情に思いを馳せてみたい。

 道案内をするわたしの筆はおぼつかないが、その拙さを補って余りある写真がたくさん添えられる。そのすべては文藝春秋写真部の大海秀典さんの作品である。本書は撮り手である大海さんと書き手であるわたしとが弥次喜多さよろしく二人で旅に出て歩きまわり、あれこれと打ち合わせをしながら仕上げた作品である。その意味でとてもとても贅沢な本だが、おかげで、めずらしい風景やあまり知られていない祭りの写真を掲載することができた。

 本書を読み写真を堪能して、それで旅に出た気分を味わうのもいい、この本を手に旅に出てみるのもいい。どちらにしても、読者のみなさんに古事記の旅を大いに楽しんでいただけるように心がけた。
(著者前書き「旅たちの前に」より)

 国生み神話発祥の地からヤマトタケル終焉の地まで日本全国75カ所を『口語訳 古事記』の著者が案内する決定版ガイドブック。古事記ゆかりの土地や神社だけでなく、祭事や神楽も紹介している。古事記編纂1,300年を迎える年にぜひ、この一冊を手に神話の世界にタイムスリップしたいもの。奈良、出雲、伊勢のルートガイド付き。


『東アジアの動乱と倭国』

東アジアの動乱と倭国

著者  森公章
定価  本体 2,500円(税別)
発行  吉川弘文館 戦争の日本史I

 2世紀に成立した倭国は、東アジア諸国との交流で発展すると同時に、戦いにも巻き込まれてゆく。倭国大乱、百済、加耶諸国の紛争、白村江の戦への過程を検証。激動の国際情勢の中で、倭国が経験した戦争と外交を描く。


『倭の五王−5世紀の東アジアと倭王群像』

倭の五王−5世紀の東アジアと倭王群像

著者  森公章
定価  本体 800円(税別)
発行  山川出版社 日本史リブレット

 478年、倭王武は中国南朝の宋に遣使し、上表文を捧呈した。これは讃・珍・済・興・武の倭の五王と称される5世紀の倭国王の外交と内政の到達点をうかがわせる貴重な考察材料になる。本書では倭国と宋との通交の様相、その背景となる朝鮮諸国との関係、記紀の記載との関係、また国際的要因が内政におよぼす影響や倭国の国家体制の形成過程など、この時代のさまざまな問題に言及しながら、倭の五王の人物像にせまりたいと思う。


基礎編

伽耶はなぜほろんだか

『伽耶はなぜほろんだか』
著者  鈴木靖民 武田幸男 鬼頭清明 田中俊明 東潮 柳田康雄
       尹容鎮 早乙女雅博
定価  本体 2,800円(税別)
発行  大和書房 増補改訂版 1998

 「東アジアの古代文化を考える会」は1989年7月22・23の両日、「伽耶はなぜほろんだか」(副題、日本古代国家形成史の再検討)という題目で、文献史学・考古学両方面からその謎に迫る、大変意欲的な、また興味津々たるシンポジウムを開くことになりました。

 ・・・・東京都豊島区立勤労福祉会館で開かれることになったのであります。

江上波夫


古代の日本と加耶

『古代の日本と加耶』
著者  田中俊明
定価  本体 800円(税別)
発行  山川出版社 日本史リブレット

 かつては任那とよばれた古代の朝鮮半島南部の小国群を、ここでは、朝鮮資料の表記のしかたに従って、加耶とよぶ。加耶諸国は、古代の日本(倭国)にとってもっとも近い外国であり、深い交流の相手であった。ただし、諸国がいつでも一体であったわけでも、すべての国々が同じ立場であったわけでもない。そのうち特に倭国と関わりが深い、またもっとも近くに位置する、加耶南部の諸国をとりあげ、その歴史的展開、および倭国との関係の実相にせまることにしたい。


古代史基礎編 2

ヤマト王権

『ヤマト王権』
著者  吉村武彦
定価  本体 820円(税別)
発行  岩波書店 岩波新書

 日本列島にはじめて成立した全国的な統治システム、ヤマト王権。その始まりはいつだったのか。初代の「天皇」とは誰なのか。王宮や王墓の変遷は何を物語るのか−。

 『魏志倭人伝』など中国の正史や金石文ほか、貴重な同時代資料に残された足跡を徹底的にたどり、ひろく東アジアの動きを視野に、多くの謎を残す時代の実像に肉追する。(カバーより)


前方後円墳の世界

『前方後円墳の世界』
著者  広瀬和雄
定価  本体 7,200円(税別)
発行  岩波書店 岩波新書

 見る者を圧倒する巨大な墓、前方後円墳。造られた当初は、全体が石で覆われ、時に埴輪をめぐらすなど、さらなる威容を誇っていた。三世紀半ばから約350年間、この巨大古墳が列島各地に造られたのはなぜなのか。共通する墳形にはどんな意味があるのか。史跡として復元・整備された古墳を歩きつつ、その世界観や地域相互の関係に迫る。(カバーより)


東国の古墳と古代史

『東国の古墳と古代史』
著者  白石太一郎
定価  本体 2,400円(税別)
発行  学生社 2007年

 著者が、学生時代以来のフィールドであった「近畿」から離れ、1987年からの20年間、国立歴史民俗博物館に勤務されていたことは皆様もよくご存知でしょうが、その間、近畿地方をはじめとする日本列島の古墳のあり方それ自体を考える上で重要と思われる「前方後方墳」、「方形周溝墓と群集墳」、「関東の後期前方後円墳と終末期の大型方・円墳」という3つの課題にたいして、東国の古墳をめぐることから「何を学ぶことができたか」をまとめたものである。また住地が佐倉ということから学んだ5世紀の馬匹文化受容を考察している。

 第1部「東海の古墳を考える」、第2部「関東の古墳を考える」、第3部「古代東国の牧と馬の文化と動く」、それに埼玉県稲荷山古墳出土の稲荷山鉄剣などに触れた「コラム」が付されている。東国の古墳のあり方が、古代日本における東国の特質、ないし畿内の王権と東国の特異な関係を反映していることを認識させてくれる好著です。これから東国の古代史を学ぶ方にとってはうってつけの本です。


古代史基礎編

日本の歴史02 王権誕生

『日本の歴史02 王権誕生』
著者  寺沢薫
定価  本体 1,200円(税別)
発行  講談社 学術文庫

 「日本」という国も言葉もなかった。彼らが自らを何と呼びあっていたかはまったくわからないが、後の中国の史書によれば、最初は「倭人」と総称され、東アジアの政治世界の一員としての意識を明確にしていく過程で「倭国」とよばれていった。本書で明らかにしていきたいのも、そうした倭人社会の生活の実像であり、内外関係での葛藤の姿であり、王権誕生そのものよりもむしろ誕生までのプロセスである。

 したがって、本書の対象とする時代は、王権誕生への道のりのスタートとなった稲作伝来にまでさかのぼり、王権が拡大し、一時代を画する契機となる「倭の五王」出現の前史までを射程に入れる。考古学の時代区分でいうと、縄文時代晩期後半頃から弥生時代の全期間を経て、古墳時代前期と呼ばれる時代を疾走することになる。実年代ではおよそ前6世紀末から4世紀末までの約900年だ。(はじめにより)

 前6世紀末から4世紀末、稲作伝来以来、日本列島は大きく変貌した。弥生人の生活はどのようなものであったのか。各地に残る環濠集落、石剣が突き刺さった人骨、大量に埋納めされた銅鐸・銅剣、巨大墳丘墓の築造。カミから神へ、マツリから祭りへ。ムラからクニ、国へ。王権誕生・確立までのダイナミックな歴史のドラマを最新の研究成果を結集して描く。(カバーより)


日本の歴史03 大王から天皇へ

『日本の歴史03 大王から天皇へ』
著者  熊谷公男
定価  本体 1,200円(税別)
発行  講談社 学術文庫

 列島の君主は、雄略天皇の時代から「治天下大王」と名のりはじめるが、それは倭国的な「天下」観の形成と不可分であった。本書では前巻の叙述を受けて、倭王権がいっそう発展して、列島の君主が独自の「天下」的世界の王を自任し、さらに「天皇」と名のるようになるまでの時代を扱う。具体的には古墳時代が中期を迎える4世紀末前後から、7世紀後半の天武天皇の即位までの時期である。(プロローグ・「天下」の支配者より)

 4世紀、倭王権=ヤマトはカラ(半島)と出会う。列島の君主は、朝鮮半島・大陸との関係を持つことで、鉄や先進的技術・威信財を独占し、その再分配で地方の首長と互酬関係を築く。緊迫する半島情勢、渡来人の定住、王位継承争い、仏教伝来、大化改新、クーデター……。度重なる試練が支配体制を強化し、神の代理人=「治天下大王」が「現神(あきつみかみ)」=天皇になった時、「日本」が誕生する。(カバーより)


全現代語訳 日本書紀(上)

『全現代語訳 日本書紀(上)』
『全現代語訳 日本書紀(下)』
著者  宇治谷孟
定価  (上)(下)共 本体 1,150円(税別)
発行  講談社 学術文庫

 「記紀」という並称で呼ばれることの多い、「古事記」「日本書紀」の二書は、日本古代史の問題に係わり合うとき、常に双生児のような存在で人々の口にのぼることが多い。

 文学書としての「古事記」上・中・下三巻は、その内容の大半が、国民の大方に理解されているといってよいかとも思われるが、歴史書「日本書紀」となると、逆にその書名のみが、やや権威的に引用されるに留まり、この書に親しむのは、ごく限られた範囲の人でしかないというのが実状のように見受けられる。

全現代語訳 日本書紀(下)

 歴史物語として、われわれが「古事記」で教えられてきたものが「日本書紀」の記述では、ずいぶん趣が変わっていることも少なくない。一方は愛すべき、ものがたりの古事記(ふることぶみ)であるとすれば、「日本書紀」は日本国の官選歴史書といった、いかめしい記録性を重視している。(まえがきより)

 30巻にも及ぶ膨大な量と漢文体の難解さの故に、これまで一般には馴染みにくいものとされてきた。本書はその「日本書紀」を初めて全現代語訳した画期的な労作である。古代史へのかぎりない夢とロマンを抱く人々に贈る必携の古代史資料。(カバーより)


芭蕉紀行

 ちょい悪オヤジとばかりと思っていた嵐山光三郎の『芭蕉紀行』を読んで、『おくのほそ道』を歩いてみたくなった。はまりますな、芭蕉さん・・・ということでこのところ、立て続けに『おくのほそ道』を音読、現代訳あわせ読みながら、かつ『芭蕉二つの顔』を読んでいる。そして気づくと地図や時刻表を手に夢想旅行にふけっている・・・。どなたか一緒に歩いてみませんか。もっとも、何ヶ月か先の話ですが・・・。まずは計画からおつきあいいただけませんか。

連絡先 トンボ佐々木 090-1706-6024

芭蕉紀行

『芭蕉紀行』
著者  嵐山光三郎
定価  本体 552円(税別)
発行  新潮文庫

 『野ざらし紀行』『冬の日』『笈の小文』『奥の細道』はもちろん、従来の案内書にはない『かしま紀行』『更級紀行』ゆかりのスポットも完全網羅。中学3年で芭蕉の言葉にふれ、自らも「旅をすみか栖」とする著者が、足と目と感性で俳聖の全足跡を辿る。研究者の間ではタブー視されている、芭蕉の衆道にも踏み込んだ希有な書。沿道の美味な食べ物も紹介。著者手描きの絵地図入り。『芭蕉の誘惑』改題。


おくのほそ道

『おくのほそ道』 松尾芭蕉
角川書店・編 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
定価  本体 590円(税別)
発行  角川ソフィア文庫


おくのほそ道 全訳註

『おくのほそ道』 全訳註
著者  久富哲雄
定価  本体 1150円(税別)
発行  講談社学術文庫


芭蕉二つの顔

『芭蕉二つの顔』俗人と俳聖と
著者  田中善信
定価  本体 1090円(税別)
発行  講談社学術文庫

 俗世を捨て数珠を携えておくの細道を旅する晩年の姿。対照的に青壮年時代には算勘の心得を武器に処世に長け、伊達を好んだらしい芭蕉。伊賀上野の生まれ、29歳で江戸に出、41歳以降は旅に過ごす。このわずかな伝記的事実の間に残された空白の時代、芭蕉は何を生業とし、どんな交友関係を結んでいたのか。前半生の謎に切り込む画期的な論考。


リンゴが教えてくれたこと

リンゴが教えてくれたこと

著者  木村秋則
定価  本体 850円(税別)
発行  日本経済新聞出版社

 自然には何一つ無駄なものはない。私は自然がよろこぶようにお世話をしているだけです―。絶対不可能と言われたリンゴの無農薬・無肥料栽培を成功させ、一躍時の人になった農業家が「奇跡のリンゴ」が実るまでの苦難の歴史、独自の自然観、コメや野菜への展開を語るとともに、農薬と肥料に依存する農のあり方に警鐘をならす。

 私は全国の農家の人にこう言っています。みなさんの体にリンゴひとつ、お米一粒実らすことができますか。人間はどんなに頑張っても、自分ではリンゴの花一つさかせられません。米を実らせるのはイネです。リンゴを実らせるのはリンゴの木です。主人公は人間ではなくてリンゴの木やイネです。人間はそのお手伝いをしているだけです。そこを十分わかってください、と。


スローフードな日本!

スローフードな日本!

著者  島村菜津
定価  本体 552円(税別)
発行  新潮文庫

 経済の急成長に伴い、大きく変化した日本の食風景。ファーストフード、食品添加物、農薬だらけの野菜―気がつくと消えてしまった古きよき食卓の情景。本当に私たちの健康は大丈弾夫なのか?スローフード運動の先駆者が北から南へ日本縦断、食を守る小規模な生産者たちを追いかけます。見栄えなんて関係ない。安全でおいしい食のためなら、どんな苦労も厭わない姿に元気が沸く一冊。

目次より

1人類が初体験する食卓の異変
2種から考えた大根
3アイガモと共に育つ米
4豆腐は豆が命です
5牡蠣が見上げた森
6牛をめぐる冒険
7水がつなげるもの
8身体に効く食べもの
9土から離れた不安

全日本食えば食える図鑑

全日本食えば食える図鑑

著者  椎名誠
定価  本体 590円(税別)
発行  新潮文庫

 ゴカイ、ウミヘビ、イソギンチャク……本当にこれを食べるんですか?という見た目も恐ろしい食材を、胃袋に納めます。こりこり、ずるずる、ぐねぐね、ぴりぴり――何が通常食で何がゲテモノなのか、その境界線は誰にも言えないとシーナさんは言うけれど、これを読んで、一度食べたく、とは……多分、なりません。日本一つら〜い食べ歩きエッセイ。第1回日本麺の甲子園大会記録を収録。

目次より

睾丸のようなもの。ぐねぐねするやつら。沖縄県 与那国島・石垣島
なんてこったの肛門チンポコ生物。佐賀県 有明海・唐津
決め技はコリコリとずるずる。京都府 伊根・丹後
奇食ではなく貴食なのであった。北海道 阿寒湖
ヒトは禁じられると求めるものだ。岩手県 遠野・宮古
高知の山海秘密の三本勝負高知県 安芸・大方
食うか食われるか。ミキにはキミの夢がある。鹿児島県 奄美大島
でっかくて黒いやつ。小さくて黒が好きなやつ。青森県 鯵ヶ沢・市北半島
輝け!第1回全日本麺の甲子園大会日本全国
でらうまの謎愛知県 名古屋
愛と策略の蜂の子まぜごはん。長野県 白馬・穂高
鮒ずしへの詫び状。滋賀県 琵琶湖

アフガニスタン映画上映会
〜記録映画「カラコルム」と短編劇映画3本〜

 上映機会がほとんどないアフガニスタンの記録映画「カラコルム」と短編劇映画3本を上映する事が実現しました。

日時:2009年6月13日(土曜日)18時開場
場所:いきいきプラザ一番町 カスケード・ホール(地下1階)

詳細はこちら。


魏志倭人伝の考古学―邪馬台国への道―

平城京遷都 女帝・皇后と「ヤマトの時代」

著者  西谷正 (九州歴史資料館館長・九州大学名誉教授)
定価  本体 5,400円+税
発行  学生社(2009年4月30日発行)

 著者が名誉館長をつとめる福岡県前原市立の伊都国歴史博物館において2007年度に月1回の割合で1年間こ渡って行われた「名誉館長講座」講話をまとめたものである。講座ということで専門書のような論文調ではなく、噛み砕かれた平明な文章で書かれているので、読みやすく興味をそそられながら読み進むことができ、まさに考古学ファンにうってつけの本である。むろん書かれていることは碩学による考古学に裏付けられたもので専門書たりうる内容のものであることはいうまでもない。

 邪馬台国の所在に対する、いわゆる邪馬台国論争の九州、畿内説両論に対する公正な見方を紹介する中で著者の見解もチラリと述べられているが、この本は著者もあとがきで記すように、「邪馬台国の所在を追い求めながらも邪馬台国の時代すなわち弥生時代終末期における地域史の重要性」に重点が置かれている。魏志倭人伝に登場する国々、帯方郡から邪馬台国へ至る各国の過去から最新の発掘調査までを検証したこの書物を読むことで東アジアという広い視点から邪馬台国を考える指針を示唆されるに違いない。

目次より

1 帯方郡 2 韓の国々―魏志韓伝の世界 3 狗邪韓国 4 対馬国 5 一支国 6 末盧国 7 伊都国・斯馬国 8 奴国 9 不弥国 10 投馬国 11 邪馬台国「九州」説 12 邪馬台国・狗奴国―近畿説


平城京遷都 女帝・皇后と「ヤマトの時代」

平城京遷都 女帝・皇后と「ヤマトの時代」

 710年の平城京遷都は、飛鳥から奈良まで続いた「ヤマトの時代」のひとつのクライマックスだった。6世紀の仏教公伝にはじまり、天皇制の強化、隋唐・朝鮮との外交交渉をへて、のちの大仏造経つまで続く、古代日本の国家戦略がなしとげた一大プロジェクトであった。激動の東アジア世界の中で、時々の政権はなにを考え、どう動いたのか。「ヤマトの時代」を象徴する女帝(推古・斉明<皇極>・持統一・元明・元正・称徳<孝謙>)、皇后(光明)の動向に光を当てながら、古代史の壮大なドラマを描く。

作者  千田稔
定価  840円+税
発行  中央公論新社 中公文庫1940


映画史上最大の遺産が今、スクリーンに蘇る
アラビアのロレンス 『完全版』ニュー・プリントバージョン

アラビアのロレンス

●上映映画館
●12月上映予定
●上映スケジュールは タカシマヤタイムズスクエア12階 Tel:03-5361-1937にお問い合わせください。

詳細はこちら。


「小百合 日和」吉永小百合の映像詩
DVD・VHS

「小百合 日和」吉永小百合の映像詩

1987年から10年間の三井ホームのCM未公開映像を中心にした、吉永小百合の初めてのイメージビデオです。

詳細はこちら。


司馬遼太郎ファン待望のビデオ化
NHKスペシャル 司馬遼太郎 「街道をゆく」全13巻

NHKスペシャル 司馬遼太郎 「街道をゆく」

プロローグ、第1巻〜第6巻までのお申込み受付中
第7巻以降の注文受付は1998年12月からです。

詳細はこちら。


映像フォーラム
「海を渡った仏教―儀礼と芸能」

「海を渡った仏教―儀礼と芸能」

●期日 2008年11月29日(土)
●時間 13:00〜17:15(開場12:30)
●会場 新宿明治安田生ホール

詳細はこちら。


小説『遊学三昧 ある愛情物語』

小説『遊学三昧 ある愛情物語』

 沖縄と金沢を郷里に持つ男女学生の風俗を中心に、全編、躍動感のある筆力が漲っている。作中人物はいずれも鮮やかな存在感があり、微妙な心理や行動も無駄なく掴まえられ、表現されている。もはや、小説家としては達人の域にたっしている。

 杉本文学の誕生は眼前にある。『若菜集』で詩人として出発した藤村が、『破戒』という衝撃的な社会小説を経て、『夜明け前』という歴史小説、大河小説に流れ込んだように、杉本文学も福井という歴史的風土に還る時期にきているように思う。(粕谷一希「跋文」より)

作者  杉本利男
定価  1,801円 (税込、送料別途、会員は送料無料)
発行  永田書房


『奈良・大和路 まほろば巡礼』

奈良・大和路 まほろば巡礼

 本書を道連れにして奈良・大和路を旅する人々が、仏に、神に手を合わせ、みずからの心を癒し、そして日本のこころを探し求める縁(よすが)にしてほしい。

 本書は奈・大和路にかかわってきた17名の案内人(西山厚・上野誠・金子裕・和田萃・辰巳和弘・高橋徹・千田稔・鹿谷勲・中田由紀子・青山茂・菅谷文則・清水俊明・山崎しげ子・金春欣三・冨岡典子・櫻井敏雄・浅田隆の各氏)によって奈良・大和のさまざまな表情が20のテーマで紹介されている。さらに美しい写真、登場する寺社・文化施設の案内、連絡先、地図、年中行事、世界遺産・国宝・特別史跡の案内もあり、まさに上質のガイドブックである。

監修  千田稔 奈良県編
定価  1,995円 (税込、送料別途、会員は送料無料)
発行  小学館


『世界遺産と地域再生』

世界遺産と地域再生

 世界遺産が全国的にブームだ。その背景には、世界遺産によって地域を活性化させたいという地方の切なる願いがある。しかし、世界遺産は本当に地域再生につながるのだろうか。昨年逆転登録で世界遺産となった「石見銀山」、今年登録ならなかった「平泉」、試行錯誤のまちづくりをつづける「尾道」道路建設が景観を破壊し、世界遺産への道を閉ざすとして訴訟が起こっている「鞆の浦」、それぞれの地元をくわしく取材し、世界遺産登録へ向けて地方でどんな取り組みがされているのか、それはこれからの‘まちづくり’にどんなかたちで結実していくのかを考察する。

著者  毛利和雄  地域再生・地域振興「世界遺産と地域再生」
定価  1,890円 (税込、送料別途、会員は送料無料)
発行  新泉社


『無常のわかる年代のあなたへ 「共に生きる」ことの意味』

無常のわかる年代のあなたへ 「共に生きる」ことの意味

 序章で、戦火のアフガニスタンの難民救済に取り組む一主婦、宝塚市在住の西垣敬子さん(共に生きる「アフガニスタンからのレポート」参照)の活動を取り上げている。ほぼ還暦を過ぎてからの取り組みだ。「人は他人と共に生きている」という心の持ち様が薄らぎつつある時代、国境を超えて「きずな」を求める生き方に示唆を受ける。

著者  白鳥正夫  共に生きる「共生の風景を旅する」
定価  1,680円 (税込、送料別途、会員は送料無料)
発行  三五館


『満月村』

満月村

 「満月村」は、どこにでもある田舎の小さな村でした。私が村を離れて、どれほどの時がすぎたことでしょう。そこに咲く名もない花のあり様や、どこか郷愁を感じさせる古い家波が、いまも目に焼きついて離れません。

 年を経て積む時の多くは、記憶の羅列として残るだけなのでしょうか。月の満ち欠けも忘れる日、悔いながらも失う日々に満月村の森羅万象を思います。それは私の記憶の断片をたどったなつかしい思い出、いや、まぼろしなのかもしれません。

 小さなものに命は宿り、ひるがえって、小さな存在である自分。そんな感傷にふけるとき、「満月村」はその姿を鮮やかによみがえらせるのでした。

著者  大坪奈古・森洋子
定価  2,100円 (税込、送料別途、会員は送料無料)
発行  パロル舎


満月村之図 亀の湯

『ヒロシマ・ナガサキ 石の記憶』

ヒロシマ・ナガサキ 石の記憶

 科学者の目がとらえた原爆の爪痕が六十余年の歳月を経て、いま甦る。東京大学総合研究博物館の標本室に眠っていた被爆の石たち、ヒロシマ・ナガサキ生き証人たちが、あの惨状を語り始めた・・・。謎に包まれたフィールドノートを一人の鉱物学者が読み解き、真実に迫る。

著者  田賀井篤平
定価  1,260円 (税込、送料別途、会員は送料無料)
発行  智書房 (東京都文京区白山5丁目2-5)